トップ 差分 一覧 ソース 検索 ヘルプ RSS ログイン

FrontPage

SICE 制御部門 社会基盤システムにおける分散意思決定のためのシステム制御調査研究会

 概要

  • 名称(日本語):社会基盤システムにおける分散意思決定のためのシステム制御調査研究会
  • 名称(英語):Research Committee on Distributed Decision Making for Large Scale Social Systems
  • メンバー:47名(企業13名,大学34名)
  • 設置期間:2012年1月〜2013年12月
  • 設置趣意書

 目的と担当分野

目的

グリーンイノベーションを実現するスマートな社会基盤システムの構築が求められている.ここでは,例えば電力需要•供給ネットワークに代表されるような,大規模な社会基盤システムに対して,社会システムの制度設計を含めた統合的運用システムの開発を可能とする理論,技術の展開が必要とされている.

電力分野では,近年,再生可能エネルギーや蓄電池の活用による,クリーンな分散型エネルギー需要•供給システムの実現が求められている.このような新たな形態の電力需要•供給ネットワークを,中央集中型の情報処理により運用することは,対象が大規模であるがゆえに困難である.個々の要素が自律的にどう振る舞うかの意思決定を自らおこないながらも,ネットワーク全体の安定な稼働を保証することができる,統合的運用システムが必要とされるであろう.

また計算機ネットワークをはじめ,電力需要•供給ネットワーク,上水道管理ネットワークなどは,近年高度に情報通信化されている.これら情報通信化された大規模なシステムには,情報技術を用いた悪意ある者からの攻撃にさらされる可能性が指摘されている.重要な社会基盤であるこれら大規模なシステムを,悪意ある攻撃から保護するためには,個々の要素の自律的な情報処理により,攻撃の有無を判断できる意思決定の仕組みが重要となるであろう.

さらにこのような社会基盤システムの運用を司るシステムには,突然の自然災害を原因とする万一の故障発生の際にも,その分散構造を活かすことにより,社会基盤システム全体の機能を保全する頑健さを備えていることが求められるであろう.

本調査研究会では,電力需要•供給ネットワークや上水道管理ネットワークといった,社会基盤と呼べるような大規模な分散型システムへの適用を念頭に,スマートな社会基盤システムの構築と運用を司る統合的運用システムの実現に必要となる,分散意思決定に関連した問題へのシステム制御工学の理論と応用からの接近に関する調査研究をおこなう.

担当分野

ネットワーク化制御やマルチエージェントシステムの制御に関わる制御理論研究者と各産業界で制御技術の研究開発に従事されている方,またその中間的な位置づけとして,大学で制御技術応用に携わる方々にお集まり頂き,この3つの分野の連携により,以下のように調査研究活動を推進する.

  1. 社会基盤システム統合運用のためのシステム制御理論に関する調査研究:分散制御,協調制御,ネットワーク制御,大規模システムのモデリング,ゲーム/チーム理論,メカニズムデザイン,予測制御,最適制御理論,推定理論
  2. 社会基盤システムの安定性確保,発展のための制御技術に関する調査研究:スマートグリッド,電力需要予測,系統安定化問題,日射量予測技術,大規模組電池のモデリングと制御,燃料電池のモデリングと制御,上下水道管理ネットワーク,ネットワークとセキュリティ,計算機ネットワークの保全,電気自動車のモデリングと制御,空調のモデリングと省エネルギー化
  3. 社会基盤計測制御技術に関する調査研究:センサーネットワーク,センサスケジューリング,ネットワークセンシング,リモートセンシング,スマートコミュニティ