!!!分子科学が拓く制御理論応用の新潮流 *主催・企画:計測自動制御学会制御部門制御理論部会 *期日:2010年3月8日(月) *参加費:無料(要事前登録) *会場:京都大学東京オフィス会議室(東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA棟27階) *講師 **大槻 幸義 君(東北大学) **菅原 道彦 君(慶應義塾大学) *定員:35名 *スケジュール 13:00-13:10 開会挨拶 13:10-14:40 講演1(菅原 道彦君): 「レーザーによる分子ダイナミクスの量子制御」 14:55-16:25 講演2(大槻 幸義君): 「分子科学における量子最適制御シミュレーション」 16:25-16:55 総合ディスカッション 16:55-17:00 閉会挨拶 !!講演概要 !講演1:レーザーによる分子ダイナミクスの量子制御 *講師:菅原 道彦 君(慶應義塾大学理工学部化学科) 概要:レーザー(パルス)を用いて分子の様々な動力学(電子遷移、振動・回転運動、等)を制御する試みについて、理論・実験の両面から具体例を挙げながら簡単なレビューを行う。その際、量子系の制御問題を取り扱う際に特有の概念、シュレディンガー方程式の特徴などを解説し、量子制御理論が抱える現状の問題点にも触れる。さらに、時間が許せば現在遂行中の「強レーザー場による空間分割を利用した分子内緩和過程の抑制」についての研究紹介も行いたい。 !講演2:分子科学における量子最適制御シミュレーション〜化学反応制御から分子による量子情報処理〜 *講師: 大槻 幸義 君(東北大学大学院理学研究科化学専攻) 概要: 本講演の目的は,(1) 制御工学と量子制御の接点を,互いが共有する数学の枠組みの中で模索することと,(2) 分子科学における最適制御理論の“使われ方”をシミュレーション例により紹介することである。量子最適制御問題は,状態(波動関数)と制御(レーザー電場など)の積を含む双線形運動方程式の拘束条件の下,2次形式の評価関数で表される。この量子制御問題に対し,変分法を使った取り扱いおよびシミュレーション手順を場合例を通して説明する。最適制御(レーザー電場波形)を具体的に計算するに当たり,単調収束が保証された“勾配”の存在を証明し,解の大域的な性質との関係や拘束条件(運動方程式)の拡張などを議論する。シミュレーション例としては,生体分子の光異性化制御,同位体分離,量子情報処理などを取り上げ,基盤技術としての展望も交えて紹介する。