制御系を設計しようとする場合,数多あるモデリング・制御方法の中で如何なるものが制御対象にとって適当であるか,その判断が設計者に求められます.ところが,制御工学の修学においては,分類されたテーマを複数の書籍や大学の講義を通して個別に学ばざるを得ないのが実情であり,各々の特徴を整理し制御工学全体を系統的に捉えておくことは容易なことではありません.
本セミナーでは,大学院生や企業の制御関係に携わる若手の人材を対象に,システム同定/状態推定・古典/現代/ロバスト制御について,理論的な詳細には深入りしすぎずに各方法の本質を広く理解することを通して,その全体像を把握することを目的にします.講師の先生には,システム同定・制御系設計に関する著書やセミナー講師の経験を豊富にお持ちである2人の先生方をお迎えし,モデリングから制御系設計までを系統的にわかりやすく講義していただく予定です.
本セミナーは2日間にわたって開催されます.1日目は,モデルベースト制御系設計に欠かせないモデリングとモデルを用いた状態推定について,その基礎を平易に幅広く講義していただきます.2日目は制御系設計編として,古典制御をはじめ,現代制御,ロバスト制御をそのつながりに焦点を当ててわかりやすく講義していただきます.
モデリングと制御系設計をまとめて学べる希少な機会であり,両日のご参加をぜひともお勧めしますが,どちらか1日だけの参加も可能ですので,みなさまのニーズに応じて活用していただければ幸いです.職場や大学での研究・開発などで制御系設計を考えられている技術者・学生・研究者の方はもちろん,モデリング・制御系設計を基礎から勉強しようという方,関心をもたれている方,さらには実際の現場での適用を考えておられる方など多くの方々のご参加をお待ちしております.この貴重な機会を逃さず,是非ご参加されますようお願い申し上げます.

講師: 足立 修一 君(慶應義塾大学),平田 光男 君(宇都宮大学)

講義内容:
12月5日(月)(第1日目)9:30-12:30,13:30-16:30
モデリング編: 制御対象のモデリング(足立)
モデルベースト制御系設計の第一段階は,制御対象の「モデリング」です.このモデリングの出来不出来が最終的な制御系の性能を決定するといっても過言ではありません.本講義では,モデリングの基礎について平易に解説します.まず,第一原理モデリングとシステム同定の考え方を紹介し,実験データからモデリングを行うシステム同定について詳しく説明します.最後に,モデルを用いた状態推定法であるオブザーバとカルマンフィルタについて簡単に紹介します.

12月6日(火)(第2日目)9:30-12:30,13:30-16:30
制御系設計編: 制御系設計~古典・現代からロバスト制御まで~(平田)
モデルベースト制御系設計を成功させるには,古典制御及び現代制御はもちろんのこと,ロバスト制御の考え方も重要となります.これらの制御法は,それぞれ独立しているわけではなく,互いに密接に関わっています.しかし,古典からロバストまでをまとめて系統的に学ぶ機会は多くありません.そこで,本セミナーでは,これらの制御法を1日で講義することを試みます.時間が限られていることから,内容を厳選し,各制御法の本質とそれらの間の関係が明確になることを重視した構成とします.

定員: 60名(定員になり次第,締め切ります)

参加費:
正会員 学生会員 会員外 賛助会員枠
両日参加    20,000円 8,000円 40,000円 8,000円
第1日のみ参加 10,000円 4,000円 20,000円 4,000円
第2日のみ参加 10,000円 4,000円 20,000円 4,000円

申込締切: 2016年11月21日(月)

申込方法: 申し込み方法など,詳細につきましては
https://www.sice-ctrl.jp/jp/wiki/wiki.cgi/c/semi?page=design2016
をご覧ください.

問合わせ先:
SICE 制御部門 事業委員会:
石崎 孝幸(東京工業大学),E-mail: ishizaki@mei.titech.ac.jp
鈴木 雅康(宇都宮大学), E-mail: ma-suzuki@cc.utsunomiya-u.ac.jp
勝 生水(ジヤトコ株式会社),E-mail: fuyuku_katsu@jatco.co.jp

学会事務局: 部門協議会担当,電話(03)3814-4121,
E-mail: bumon@sice.or.jp

会場 URL:
http://www.lib.uec.ac.jp/modules/outsider/index.php?content_id=3

詳細情報 URL:
https://www.sice-ctrl.jp/jp/wiki/wiki.cgi/c/semi?page=design2016