■主催・企画
計測自動制御学会 制御部門 制御技術部会 企画
■概要
制御技術部会は,1)産業界のニーズ分析による技術課題抽出,2) 新しい制御理論や手法の発掘と産業界における実用化,3)横断的な学会の特徴を活かした異業種間との交流による技術の共有化を進める機会を提供することを目的とし,その一環として,今回、制御技術フォーラムを企画しました。
本フォーラムは、制御技術部会とも関連の深い3つの調査研究会、1)エネルギー環境システム制御技術調査研究会、2)高度プロセスオペレーション技術調査研究会、3)制御技術に関する次世代ニーズ・シーズ調査研究会の協力のもと、制御エンジニアが参加したくなるような議論の場を提供することを目的とします。
また、本フォーラムは、産業応用部門と連携し、産業応用部門大会(11月15日)の翌日開催と致しました。
多くの方々のご参加と活発な討論を心よりお待ちしております.なお,フォーラム終了後に,同じ場所で技術交流懇話会を行いますので,あわせてご参加ください.
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■日時
2011年11月16日 (水) 10:00~17:30
■会場・交通
東工大蔵前会館ロイアルブルーホール〔東京都目黒区大岡山2-12-1〕(会場は9:00から入場可)
東京急行大井町線・目黒線(大岡山駅下車徒歩1分)
http://www.somuka.titech.ac.jp/ttf/access/index.html
■定  員:60名(申込み先着順)
■参 加 費
1)会員:3000円   2)学生会員:1000円
3)会員外
・研究会メンバー :4000円
・学生        :2000円
・上記以外     :6000円
産業応用部門との連携により、産業応用部門大会の参加者には参加費割引(1000円減、但し学生は500円減)
■技術交流懇話会
会場は同建物です.会費5,000円予定
■申込方法
参加者氏名(複数可)および連絡事項(勤務先,所属,住所,電話番号,E-mailアドレス,懇親会の出欠)をご記入の上,下記までE-mailでお申し込みください.
角谷 泰則(住友金属工業 総合技術研究所)
E-mail::kadoya-ysn[at]sumitomometals.co.jp([at]は@に直して下さい.)
Tel:(0299)84-3113,Fax:(0299)84-2975
■申込締切
2011年11月09日(水)
■プログラム
10:00~10:10 開会の挨拶       中川 繁政(住友金属)
10:10~11:30 高度プロセスオペレーション技術調査研究会 司会 関 宏也(東京工業大学)
10:10~10:30 同調査研究会の紹介  関 宏也(東京工業大学)
10:30~11:30 クラウドコンピューティングでプラント制御がどうかわるか 宮田 宏(横河電機)

 クラウドコンピューティングという新しいコンピューティング環境が社会のパラダイムを大きく変えようとしている。情報を端末から切り離し、必要に応じて利用することができる環境は、プラントの制御にどのような影響を与えていくのだろうか?本講演では、現在の製造業を取り巻くクラウドコンピューティングの動向を紹介し、現在の課題をとりあげ、将来の展望を議論する。

13:00~14:30 エネルギー環境システム制御技術調査研究会 司会 滑川 徹(慶応義塾大学)
13:00~13:45 再生可能エネルギーを含む分散型エネルギーシステムの分散制御 滑川 徹(慶応義塾大学)

 エネルギー・環境問題への対応のため、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを含む分散型エネルギーシステムが注目を集めているが,その実現には課題が山積している.
本講演では,再生可能エネルギーを含む大規模分散型エネルギーネットワークシステムに対して,分散協調予測型エネルギー管理システムの実現を目指した世界の研究動向を紹介する.多種多様な発電機を協調させながら,エネルギー需要と発電量を予測・制御・推定し,安全性を確保した上で,最適な運用を行う制御方策の実現のためには様々な制御技術が必要となる.講演では特に,1.電力需給バランス調整のための電力需要予測/自然エネルギー発電予測とデマンドレスポンス,2.大規模分散システムに対する分散・予測・最適制御方策,3.電力品質維持のための分散型負荷周波数制御に関して,研究の潮流と講演者の研究成果の一端を御紹介する.

13:45~14:30 再生可能エネルギーと予測・協調制御  畑中 健志(東京工業大学)

 本年3月の震災を受けて、過日閣議決定された第4期科学技術基本計画等において再生可能エネルギーの普及や分散エネルギーシステムの革新が謳われるなど、我が国のエネルギー政策は大きな転換点を迎えている。本講演では、まず再生可能エネルギー大量導入を阻む問題点とそれに対するシステム制御分野の貢献可能性を例示する。さらに、本課題に有用と思しき当該分野の最新シーズを紹介し、それがどのようにエネルギー管理システムに組み込まれるかを示す。

14:40~16:00 制御技術に関する次世代ニーズ・シーズ調査研究会 司会 浅井 徹(大阪大学)
14:40~15:00 同調査研究会の紹介   浅井 徹(大阪大学)
15:00~16:00 情報機器におけるメカトロ制御技術の現状と今後のニーズ・シーズについて  山口 高司(リコー)

 あらゆる産業分野において制御技術は必須の技術の一つであり、それぞれの業界において、制御理論の応用に更に独自の工夫がなされたきわめて高度な制御技術が開発、適用されている。ここで提起したいことは、各業界での優れた制御技術を横断的に理解し、別の業界においてもうまく活用することができないものだろうか、という点である。そのためには、まず各業界の制御技術の特徴をうまく表現する必要があろう。さらにそれらをいくつかの考えの枠組み(フレーム)に分類し、それらの中で、どういう制御理論が適用されているか、またどういう工夫がなされているか、をまとめてみることが有用ではないかと考える。企業の制御技術者にとってわかりやすい”制御技術のフレーム”を、各業界がうまく提示することができれば、異業種間での活発な技術交流も可能になるのではないか、と思われる。本発表では、高速かつ高精度なモーションコントロールを行う代表的な製品の一つであるハードディスク装置を対象として、その特徴を示す。この特徴を踏まえて、試案として(1)ループの閉じ方、(2)制御構造、(3)外乱のモデリング、をフレームとして取り上げ、ハードディスク装置のモーションコントロールの理解のしかたを提案する。あわせて他のメカトロ機器の制御も少し紹介して、これらのフレームがどう使えるかについても言及する。

16:10~17:10 特別講演 司会 中川 繁政(住友金属)
16:10~17:10 非線形性に挑む―幾何学的アプローチによる非線形制御―  石川 将人(大阪大学)

 制御工学はその基礎の多くを線形システム理論においているが,現実にはその枠組みでは扱いきれないような非線形性が存在する.たとえばロボットに代表される機械力学系には,単純な機構であっても非ホロノミック拘束に代表される強い非線形性をもつシステムが少なくない.このようなシステムは単に非線形性が「強い」というだけでなく,可制御性―「入力がどのように積分されて状態変化に反映されるか」―という仕組みそのものが線形システムとは異なっており,これを捉え操るためには線形制御と本質的に異なる考え方が必要となる.本講演では,リー群論の考え方を中心として,これらの複雑な非線形性を扱うための幾何学的アプローチを実例を交えながら平易に解説する.また,非線形性に対処するというだけでなく,それを積極的に生かして一風変わったロボットシステムを実現する著者らの試みを紹介する.

17:10~17:15 閉会の挨拶       田原 鉄也(山武)
17:30~19:30 技術交流懇話会